「意思決定を相談できる相手が必要だった」情シス君が老舗菓子メーカーの基幹システム刷新を支援
お話を伺ったお客様
株式会社中尾清月堂 常務取締役 中尾海人氏
株式会社中尾清月堂は、富山県高岡市で和洋菓子の製造・販売を手がける老舗菓子メーカーです。
創業は明治初期にさかのぼり、地元で長く親しまれてきたどら焼きが看板商品となっています。
そんな同社が直面したのが、10年以上使ってきた基幹システムの保守サポート切れ。
当時は社内にIT専任の担当者がおらず、何を基準に移行先を選ぶべきかを見極める術がありませんでした。
そこで相談したのが、情シス業務のアウトソーシングを手がける「IT顧問 情シス君」です。
今回は基幹システムの刷新について、株式会社中尾清月堂 常務取締役の中尾さまにお話を伺いました。

基幹システムの保守サポート切れまで1年あまり。社内にIT担当者はいなかった
ー中尾さまの当時の役割について教えてください。

中尾さま:
常務としてバックオフィス業務全般を見ながら、システムの管理も兼任していました。
ITやシステムの専任担当者はおらず、情報システム部門としての体制がありません。
そのためシステムについては私自身が構造を把握し、日常的に操作せざるを得ない状況でした。
ー当時はどのような業務課題を感じていましたか?
中尾さま:
一番の課題は、活用していた基幹システムの保守が終了してしまうことでした。
当社の基幹システムは10年以上前に協力会社にスクラッチ開発してもらったもので、実行環境もInternet Explorer。
そのため2025年10月のWindows 10サポート終了とともに、保守の打ち切りが決まっていたのです。
仕様書もマニュアルも残っていなかったので、どう移行させていくか困っていました。
長年運用してきたため日常の業務は問題なく回っていましたが、新システムへ引き継ぐべき要件となると、社内にたどれる手がかりがありません。
自力での移行も考えましたが、クラウドやパッケージの知見が社内になく現実的ではありませんでした。
ー「情シス君」への依頼を決められたきっかけと、決め手を教えていただけますか?
中尾さま:
社内だけで進めるのは難しいと判断し、外部の力を借りることにしました。
インターネットで様々なサービスを調べる中で「情シス君」を知り、問い合わせたのがきっかけです。
並行的にいくつかの会社に相談しましたが、支援体制が決め手となって「情シス君」に依頼しました。
具体的には担当コンサルタントに加えて、プロジェクト管理担当(PMO)も入るチーム体制です。社内に知見がない状況でも、プロジェクトを上手くコントロールしてもらえると感じました。
細かな現場ヒアリングで、業務とデータの流れを可視化
ー最初はどこから着手されましたか?
中尾さま:
まず取り組んだのは、業務の現状を可視化することでした。
ドキュメントが残っていないので、現場の社員に聞きながら情報を整理していくところからスタートです。
私自身もシステムについてはある程度把握していたので、画面のスクリーンショットを使いながら、どういう構成で、どの機能が会計との連携に欠かせないのかなどを整理しました。この現状整理の段階から、「情シス君」のコンサルタントである田邉さんにかなりサポートいただきました。

田邉:
現場の皆さんは長年そのシステムを使い慣れていて、マニュアルがなくても操作できてしまいます。
ただ、新しいシステムにどの機能を引き継ぎ、どういうアウトプットを出す必要があるのかは資料からは追えません。
そのため現状の業務フローを把握し、どういうデータを入力し、活用しているかをユーザー目線で整理することが重要です。
私自身もオンライン会議でのヒアリングだけでなく、本店や支店に足を運び、実際の業務フローや現場の動線をこの目で確認しました。
中尾さま:
また、この可視化を進めるうちに、そもそもシステム移行プロジェクトの適切な進め方をあまり分かっていなかったことに気づかされました。
要件定義やスケジュール管理といった進め方の知見が、社内にはほとんどなかったのです。
「情シス君」に進行管理を任せられたおかげでスムーズに進めることができましたが、社内だけで進めていたら間違いなく期限までに終わらなかったと思います。
「どこから着手すべき?」とお悩みなら、まずは現状の棚卸しからご相談ください。
自社の要件に照らし合わせて、移行先候補のメリット・デメリットを提示
ー今後のシステムに必須の条件は、どうやって決めていきましたか?
中尾さま:
移行までの猶予が限られていたため、今までの機能をそのまま使えることを第一の条件にしました。
一部を変えると全体に影響が及びますし、切り替え後に現場が困る事態も避けたかったからです。
一方で、軽減税率など現行の法令に対応できていなかった部分は、優先順位を下げて移行後に改めて対応していく方針としました。
田邉:
ほかに必須としたのが、どこからでもアクセスできることです。
以前のシステムはレガシーなVPN経由でしか社外からつながらず、接続も頻繁に切れていました。
さらに、IDとパスワードで手軽にログインできることや、システムの保守が継続されることも条件に加えています。
中尾さま:
現場の要望は各部門の利用者に直接ヒアリングしたほか、課題管理表への記入を通じても吸い上げました。
集まった要望は田邉さんと協議しながら、要求事項へ落とし込んでいます。
要求定義にしっかり取り組んだことで、見積もりを取った製品ベンダーとどう進めるかのイメージが湧きました。
この工程を踏めたことが、何よりも大きかったと思います。
ースクラッチ開発、パッケージソフト、SaaS(クラウドツール)はどう比較・判断されましたか?
中尾さま:
最も重視したのは、期限までに移行を完了できるかどうかです。
ここは今回の切り替えの大前提ですので、外せません。
加えて、導入後のコストと機能の使い勝手を見ていきました。
田邉:
ゼロから作り上げるスクラッチ開発では、期日までに間に合わないと考えており、費用の面でも折り合いが付きづらい状況でした。
そのため、期限とコストの条件を満たすパッケージかSaaSかの2択です。
私からは数年先の活用まで見据えて、できるだけ製品の基本仕様でカバーし、追加開発を最小限に抑えることを提言しました。
製品の基本仕様内であれば、自分たちで設定を変えやすいため保守の負担を下げられますし、知見も社内に残っていきます。
また、今回の移行で優先順位を落とした軽減税率などの法令への対応も、追加開発の範囲が広いほど対応が遅れるリスクが高まりますから。
中尾さま:
ベンダーさんも製品の強みや活用法はきちんと明示してくださいますが、あくまでその製品を起点とした提案です。
自社の要件と照らし合わせてどう評価すべきか、私個人での判断は困難でした。
田邉さんには使用している基幹システムの整理から着手していただき、自社の勝手を知ってもらったうえで、各製品のメリットとデメリットを提示していただいています。
各社の提案を個別論的かつ客観的に比較・理解できたのは、大きな助けになりましたね。
コストとスケジュールに加え、田邉さんの提言をもとに自力で設定変更できる余地があるかも見て、SaaSをベースに追加要件だけをアドオン開発で補う構成にしました。パッケージにカスタマイズを重ねるよりコストが明確に低く、旧システムからの引き継ぎもできる見込みだったからです。
自社の業務に最適なシステム選定をサポートします
専門家が社内に近い立場でいることの心強さを感じた
ーシステム構築から本番稼働まで、プロジェクトはどのように進められましたか?
中尾さま:
アドオン開発を担当するベンダーさんにスケジュールを立ててもらい、私と田邉さんで確認しながら進めました。
田邉:
開発プロジェクトに第三者が間に入ると、ベンダーを強くコントロールしようとして逆に進捗が遅くなることが多々あります。
開発ベンダーもやりにくくなり、できあがるシステムも当初の想定とちぐはぐなものになってしまう。
過去にそうしたケースを何度も見てきたため、私が過剰に介入しないよう心がけました。
開発領域では私よりもプロだということを信じ、お願いするところは任せる。
一方で、アドオン開発でカバーしきれない追加要望・機能もあったので、そこは私の方でマクロを組んだり、無料のソフトを入れて連携させたりして補完的に対応しました。
ー新システムの稼働後、現場で効果を実感されるのはどのあたりですか?

中尾さま:
まずVPN接続による制限が解消され、権限を持つ担当者なら場所を選ばずシステムにアクセスできるようになったことです。
また、データの取り出し方も効率化されました。
以前は基幹システムから固定のフォーマットで出力されたものを、更に電卓などで手動集計していましたが、今はシステム上の自動計算で必要な情報をすぐに出力することができます。
ー「情シス君」に任せて、いちばん良かったことは何ですか?
中尾さま:
頼れる相手ができたことが、私としては何よりもありがたかったです。
田邉さんがいなかったら、すべて一人で決断しなければならない状況でした。
失敗が許されない中、自分の判断が間違っていないかという不安に悩まされていたと思います。
どう判断すれば良いかの観点や方向性を示していただいたり、取締役会への説明資料までまとめていただいたりと、専門家が社内に近い立場でいることの心強さを感じました。
専門知識を持つプロが、あなたの頼れる社内ITパートナーになります
ー今後、情シス領域で取り組みたいことを教えてください。
中尾さま:
これからは、システム周りを自社で適切に管理・運用できる状態にしていきたいと考えています。
その第一歩として、昨年度末に情報システム部門の担当者を採用しました。
今回「情シス君」に依頼したことで、要件定義や判断軸の整理、ベンダーコントロールといったプロジェクトの正しい進め方を学び取ることができたので、今後はそれをしっかり社内で進めていきたいです。
一方で、社内だけではどうしても知見が足りない部分は出てくると思うので、外部の支援会社を適材適所で活用しようと考えています。その際はぜひ「情シス君」にもお声がけさせてください!

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