情報システム部門(情シス)の業務は、システムの運用保守やIT資産管理、ヘルプデスクなど多岐にわたります。昨今のDX推進やAI技術導入の流れから、情シスに要求される業務レベルはより高度になり、自社の人材だけではリソース不足になる企業が増えています。
そのような企業にとって、アウトソーシングは非常に効果的です。アウトソーシングを活用することで、経験豊富なスタッフに業務を任せることができます。
「でも、アウトソーシングは料金が複雑で、費用がよくわからない」
「十分な費用対効果が得られるか不安」
このようにお悩みの方は少なくありません。
この記事では、情シス業務のアウトソーシング費用について解説します。料金体系や費用相場、依頼できる業務範囲、アウトソーシング会社を選ぶポイントなどを紹介。記事の最後には、おすすめの3つのアウトソーシングサービスをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
また、費用だけでなく、情シスのアウトソーシングについて包括的に知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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目次
情シスのアウトソーシングにおける料金体系
情シスのアウトソーシングの料金体系には、大きく分けて以下の2種類があります。
- 月額固定型
- 従量課金型
ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
月額固定型
月額固定型は、毎月一定の料金を支払う方式です。依頼した業務量にかかわらず、同額の費用が発生します。月額固定型のメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | ・支払う料金が決まっているので、予算計画を立てやすい |
デメリット | ・契約時に決めた範囲量を超える場合、追加料金がかかる・業務量が少なくても、固定料金が発生する |
月額固定型は、業務量が予測しやすい業務の依頼に向いています。たとえば、システム運用・保守やデータ入力などは、反復的で規則性があるため、業務量の予測が比較的容易です。
従量課金型
従量課金型は、アウトソーシングの利用時間に応じて料金を支払う方式です。従量型のメリット・デメリットは、次のとおりです。
メリット | ・稼働が少なければ、コストを抑えられる・月ごとに必要な業務量分だけを支払うため、コストの無駄を削減できる |
デメリット | ・業務量が急増した場合、料金が高くなる・予算計画が立てにくい |
従業課金型は、業務量に波がある業務の依頼に向いています。例えば、ヘルプデスクはITツール導入、システムトラブル発生時、新入社員の入社時期など、問い合わせが増える繁忙期があります。従量課金制はこのような急な業務量増加に柔軟に対応し、コストを最適化することが可能です。
情シスのアウトソーシングにおける依頼内容と費用相場の具体例
情シスのアウトソーシングにかかる費用を、具体例とあわせてを見てみましょう。ここでは依頼内容に対する費用感をお伝えするために、株式会社デジタルハックが提供する「IT顧問 情シス君」の料金例をご紹介します。
情シス君は、利用時間に応じて料金が決定する従量課金型です。時間あたりの料金は、業務内容にあわせてL1からL4の4段階で設定されており、数字が上がるごとに料金が上昇します。
段階 | 業務内容 |
L1:運用保守 | 既存の業務をマニュアルに従ってそのまま実行する。 |
L2:運用改善 | 既存の業務を実行・改善し、より効率的な運用を実現するためのノウハウの提供やルール作りを行う。 |
L3:環境改善 | 特定部門・チームに対する業務組み立て、役割分担、リソース最適化、業務改善など、環境自体を構築する、既存の環境を再構築することで課題を解決する。 |
L4:事業改善 | 環境改善のみならず、ほかの部署や事業改善まで考慮しながら、戦略を設計する。 |
以下ではモデルケースを使って、段階ごとのアウトソーシング費用と業務内容を例示します。
運用保守
運用保守では、既存の業務をマニュアルに従って代行します。業務内容はしっかり決まっているが、作業する人手が不足している場合に最適です。
たとえば、社内SE業務がエンジニアが兼任しており、業務負荷が大きくなっている、といったケースが考えられます。その場合、担当者の負担軽減のために、既存の情シス業務を代行する下記のようなプランが提案可能です。
料金 | 26万円/月 |
実行内容 | ・キッティング作業・アカウント登録・管理(IT資産管理)・ヘルプデスク/インシデント対応 |
担当者 | ・プロジェクトマネージャー・運用保守の担当者 |
運用改善
「運用改善」では、業務改善のためのノウハウ提供やルール作りを行います。既存の業務を見直して、業務効率化を図りたい、属人化を解消したい、といった場合におすすめです。
こちらのケースでは、情シス担当者が退職してしまい、手順やマニュアル類が整備されていない、という状況を想定しています。
このような場合、属人化解消と通常の情シス業務代行を実施します。具体的には以下のようなプランが効果的でしょう。
料金 | 49万円/月 |
実行内容 | ・社内のマニュアル類の整備・キッティング作業・アカウント登録・管理(IT資産管理)・ヘルプデスク/インシデント対応・サーバーの管理・PC100台の管理 |
担当者 | ・プロジェクトマネージャー・運用改善の担当者・運用保守の担当者 |
環境改善
「環境改善」では、特定部門・チームに対して、環境の構築や既存環境の再構築を実施します。業務効率化だけでなく、人材の役割分担、リソース最適化といった環境の改善をしたい人に最適です。
たとえば、従業員の急増に伴い業務が増加し、現在の情シス体制を見直すといったケースが考えられます。この場合、資産管理体制の見直し、ツール導入、ルール整備、といった施策が必要となるでしょう。
料金 | 66万円/月 |
実行内容 | ・IT領域全般の資産管理体制の企画・資産管理ツールの選定/設計・資産管理ツールの導入、運用設計・キッティングルールの整備・ヘルプデスク体制の構築 |
担当者 | ・プロジェクトマネージャー・環境改善の担当者 |
事業改善
「事業改善」では、戦略戦術的な視点から、部署単位・事業単位での改善を実施します。社内のIT体制を抜本的に見直したい場合に最適なプランです。
これまでIT化の取り組みが断片的であったり、統一性を欠いていた場合、IT環境は無秩序であり、業務に支障をきたす可能性があります。そのような課題に対処するためには、中長期的な視野に立ったIT戦略の策定が必要です。
具体的には、現状の課題を明確に把握し、それに基づいて中長期的なIT戦略を策定します。この戦略に基づいて、IT環境の再構築を全社的に進め、効率性と統一性を確保していきます。そのためには、下記のようなプランが考えられます。
料金 | 82万円/月 |
実行内容 | ・現状の可視化、課題の洗い出し・年間の改善計画の立案・資産管理ツールの導入/運用設計・情報漏洩対策・社内規則/ルール(レギュレーション)策定・セキュリティ教育の設計 |
担当者 | ・プロジェクトマネージャー・事業改善の担当者・運用改善の担当者 |
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株式会社デジタルハックが提供する「IT顧問 情シス君」は、企業のあらゆるIT化、デジタル化活動を促進するIT支援サービスです。IT戦略の立案、情報システム部門の立ち上げ、セキュリティ対策、ヘルプデスクの拡充など、ITに関するどんな問題にも対応します。
経験豊富なスタッフが課題を整理し、最適なソリューションを提供します。まずは一度、お気軽にご相談ください。
情シスのアウトソーシング先を比較する際のポイント
ここではアウトソーシング会社を選ぶポイントを6つ紹介します。
- 明確な料金体系
- オプション料金・追加料金
- 業務範囲
- サービス提供範囲・方法
- サポート対応の時間
- 導入実績
1. 明確な料金体系
料金体系が明確だと、正確なコスト予測が可能になります。初期費用、月額型か従量課金型か、その他費用がはっきりと示されているかを確認しましょう。
情シスのアウトソーシングは業務内容が多岐にわたるため、公式サイトで料金を明示していないことがあります。その場合は、問い合わせや資料請求、見積もりなどで情報を集めましょう。
2. オプション料金・追加料金
基本料金だけでなく、オプションにかかる料金や、追加で発生する可能性のある料金にも注意しましょう。
例えば、固定型の料金プランで利用時間の上限を超えると、追加で料金が発生する場合があります。また、基本プランに含まれない業務は、オプションとして別途料金が必要なことも。
アウトソーシングする業務と利用時間を踏まえて見積もりをとることで、予想外の追加料金の発生を防ぎ、コストの最適化を図れます。
3. 業務範囲
公式サイトなどをチェックして、アウトソーシングしたい業務に対応しているか確認しましょう。契約締結後に、依頼できない業務が発覚した場合、その業務を自社で担当したり、別のアウトソーシング先を頼ったりしなければなりません。
そのようなミスマッチを避けるために、ヒアリングなどを通じて要件をしっかりと伝え、委託の可否を確認しましょう。
4. サービス提供範囲・方法
サービスの提供方法も重要なポイントです。オンラインでのサービス提供が一般的ですが、現地対応を実施しているサービスもあります。
現地訪問には、コミュニケーションの円滑化、正確な現場の状況把握、人間関係の構築、などのメリットがあります。これらを重視する場合は、現地訪問を実施しているサービスを選びましょう。ただし、サービス提供範囲と現地訪問可能な範囲は、異なっている場合があるので注意が必要です。
加えて、オンラインでのコミュニケーションの方法も確認しておきましょう。利用できるチャットツールやWeb会議ツールはサービスによって異なります。こちらの要望に合わせてくれる場合もあるので、問い合わせ時に確認しておくとよいでしょう。
5. サポート対応の時間
サポート対応時間帯も重要です。可能なら、24時間365日対応しているサービスを選びましょう。なぜなら、社内システムは常に稼働しているため、日中だけでなく、早朝や深夜、休日にシステム障害が発生する恐れがあるからです。
迅速に問題に対応できるサービスを選ぶことで、事業の継続性を高めることができるだけでなく、トラブルによる被害拡大を防ぐことができます。
6. 導入実績
アウトソーシング会社の導入実績を確認することは、その経験とノウハウを知る上で重要です。豊富な導入実績があれば、様々なケースに対応できる知見を持っていると考えられます。自社と同業界や同規模の企業との取引実績があれば、より適切なサービスが期待できるでしょう。
導入実績の確認方法としては、ウェブサイトの事例紹介や資料請求、直接の問い合わせなどがあります。
情シスのおすすめアウトソーシング先3選の費用を比較
ここでは、情シスのおすすめのアウトソーシング先を3つご紹介します。
- IT顧問 情シス君(株式会社デジタルハック)
- IT無双’(有限会社こだまシステム)
- 情シスフォース(DeepApex株式会社)
依頼できる業務内容やサービスの特徴とあわせて、詳細な料金プランも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
IT顧問 情シス君|株式会社デジタルハック
株式会社デジタルハックが提供する「IT顧問 情シス君」は、中小企業のIT課題を解決するIT支援サービスです。
ITインフラ、セキュリティ、アプリケーション開発、サポートなど、情シスに関わるすべての業務に対応しています。情シス部門の立ち上げやIT体制の改善、業務効率化といった高度な知見を要する課題にも、最適なソリューションが提供可能です。
その他にも、情シス君には以下のような特徴があります。
- 47都道府県でオンライン・現地対応・常駐が可能
- 24時間365日対応
- マネージャー、コンサルタント、サポートによる3レイヤー体制
- 業務整理、マニュアル作成による内製化支援
- プロジェクト単位、15分単位でスポット発注が可能
- コンサルティングからアウトソーシングまで一気通貫でサポート
情シス君にかかる費用は、利用時間に応じて変動する時間単価制で計算されます。業務レベルが4段階に分かれており、レベルによって時給が異なります。
業務レベル | 内容 |
L1:運用保守 | 既存の業務をマニュアルに従ってそのまま実行する。 |
L2:運用改善 | 既存の業務を実行・改善し、より効率的な運用を実現するためのノウハウの提供やルール作りを行う。 |
L3:環境改善 | 特定部門・チームに対する業務組み立て、役割分担、リソース最適化、業務改善など、環境自体を構築する、既存の環境を再構築することで課題を解決する。 |
L4:事業改善 | 環境改善のみならず、ほかの部署や事業改善まで考慮しながら、戦略を設計する。 |
費用の目安
利用方法 | おおよその費用 |
都度スポットで依頼 | 5万円~10万円 |
毎月の情シス業務を依頼 | 2万円〜40万円 |
運用改善、環境改善も依頼 | 50万円〜 |
ご依頼内容にあわせて最適なプランを提案しているので、下記よりお気軽にお問い合わせください。
IT無双|有限会社こだまシステム
(出典:IT無双 公式サイト)
有限会社こだまシステムが提供する「IT無双」は、情シスのシステム企画から保守までを依頼できるアウトソーシングサービスです。15年以上の豊富な経験を活かして、ITコンサルティング、ヘルプデスク、システム運用・保守を幅広くカバーしています。
また、IT無双では、シニアコンサルタントが30分間の無料コンサルティングを実施しています。現在抱えている問題について相談できるので、まずは無料コンサルティングを利用してみましょう。
IT無双の料金プランは、以下のとおりです。
ライトプラン | ベーシックプラン | プレミアムプラン | |
ヘルプデスク対応件数の目安 | 10件/月 | 20件/月 | 30件/月 |
チャットサポート | ◯ | ◯ | ◯ |
コンサルティングサポート | × | 月次ミーティングリサーチ代行等 | 月次ミーティングドキュメントの作成リサーチ代行プロジェクトマネジメント等 |
1ヶ月あたりの利用料金(税別) | 5万円〜 | 20万円〜 | 45万円〜 |
※上記は目安の金額であり、サポートの内容、対象人数、運用ルール等により金額変更となる場合あり
情シスフォース|DeepApex株式会社
(出典:情シスフォース 公式サイト)
DeepApex株式会社が提供する「情シスフォース」は、“すぐに・新しいIT技術”を社内に取り入れることができる情シスのアウトソーシングサービスです。会社の成長や課題にあわせて、蓄積したノウハウを活用しながら専門家が対応します。
ヘルプデスクやキッティングのような業務から、ITコンサルティングやDXのような高度な戦略策定まで幅広く対応している点が特徴です。
経験豊富なエンジニアやITコンサルタントのノウハウを社内業務に活用したい場合は、情シスフォースに相談してみましょう。
情シスフォースにかかる費用は、次のとおりです。
プラン名 | 費用(税別) | 概要 | |
情シスフォースプラン | ライトプラン | 44万円/月 | IT専門家がスムーズな課題解決を実現 |
ベーシックプラン | 88万円/月 | IT専門家が情シス業務を主体的に実施 | |
情シスフォースLiteプラン※ヘルプデスクに特化したプラン | ライトプラン | 28万円/月 | IT専門家が10時〜15時(休憩1時間あり)に来た依頼に対応 |
ベーシックプラン | 48万円/月 | IT専門家が稼働時間中のヘルプデスク業務に対応 |
情シスのアウトソーシング先は費用や品質、業務範囲も含めて比較しよう!
この記事では、情シスのアウトソーシングにかかる費用について、事例やチェックポイントとあわせて解説しました。
情シスのアウトソーシング先を選ぶ際は、費用、業務範囲、サービス内容など、多面的に検討する必要があります。なぜなら、自社のニーズにマッチした最適なサービスを利用することで、高い費用対効果が得られるからです。
株式会社デジタルハックが提供する「IT顧問 情シス君」では、情シス業務のあらゆるお悩みにお応えいたします。
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どのような悩みにも、お客様の背景にあわせて最適なプランを提案可能です。ご相談の初期段階で依頼内容をヒアリングし、費用概算をお伝えしていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。