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更新日:2024.06.27
情報セキュリティ

インシデントとは?情報セキュリティにおける影響と防止策、対処方法を詳しく解説

インシデントとは、重大な事故やトラブルに発展する可能性のある出来事のことです。インシデント対策を徹底することは、企業の安定的な運営と信頼の維持につながります。

「そもそもインシデントってなに?」
「どういう対策をすればいいの?」
「インシデントが発生してしまったら、どう対処すればいい?」

このような疑問を抱えている方に向けて、インシデントの概要や企業に与える影響、インシデントの発生を防止する対策方法などを解説します。後半では実際にインシデントが発生してしまった際の対処方法を4つのステップに分けて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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インシデントとは

インシデントとは、重大な事故やトラブルになる一歩手前の状況のことです。実際に損害が出ていなくても、危うく事故になりかねなかった出来事は、インシデントとして扱われます。

ただし、業界や業種によって、インシデントのニュアンスは異なる場合があるので、注意が必要です。

例えば、IT業界ではシステム障害によりサービスが利用できない状況がインシデントに該当します。一方、情報セキュリティの分野では、メールの誤送信やマルウェア感染による情報漏洩のリスクなどがインシデントとみなされます。

インシデントは深刻な事態につながりかねないため、発生後は速やかに原因を突き止め、適切に対処しなければなりません。そのため、多くの企業では、インシデント対応の手順やルールを事前に定めています。

アクシデントやヒヤリハットとの違い

インシデントに似た言葉に、アクシデントヒヤリハットがあります。ここでは、それぞれとの違いについて解説します。

アクシデントとの違い

アクシデントは、実際に発生した重大な事故そのものを指します。例えば、サイバー攻撃による大量の顧客データの流出はアクシデントです。

実際に事故が生じた場合はアクシデント、事故にまで至らなかった場合はインシデント、と理解しましょう。

ヒヤリハットとの違い

ヒヤリハットとは、事故に直結する状況が発生していたが、幸い事故には至らなかった出来事を指します。ヒヤリハットという言葉は、「ヒヤっとした」、「ハッとした」という言葉からきています。

しばしばインシデントと同じような意味で使用されますが、ヒヤリハットはヒューマンエラーによるものを指すことが一般的です。

インシデントの原因と種類

インシデントは原因によって以下の6種類に分けられます。原因を以下にまとめました。

原因内容
不足経験、知識、技能が不足していた
不注意すべき注意を怠っていた
不遵守業務ルール、取り決め、手順を守らなかった
錯覚誤認や勘違いをしていた
疲労肉体的、精神的な疲労で、業務を遂行できる状態ではなかった
欠陥業務を安全に遂行するための能力・素養が欠けていた

インシデントの原因は単一とは限りません。複数の原因が重なって発生することもあれば、ある原因が別の原因を引き起こすこともあります。

例えば、疲労による不注意がミスを誘発し、インシデントにつながるケースなどが考えられます。したがって、インシデントの原因を特定する際は、複合的な視点を持つことが重要です。

インシデントが企業に与える影響

インシデントの発生や、それがセキュリティ事故につながった場合、企業に深刻な影響を及ぼします。ここでは、主要な3つの影響について解説します。

  • 業務の停滞
  • 対応に関わるコストの発生
  • 企業の信用の低下

業務の停滞

インシデントによって、業務が停滞するリスクがあります。例えば、インシデント対応に社内リソースが割かれることで、通常業務に支障をきたす可能性が考えられるでしょう。

また、インシデントの内容によっては、対応が完了するまで業務を停止せざるを得ない場合もあります。例えば、不正アクセスが発覚した場合、被害拡大を防ぐために一時的にサーバーやサービスの停止が必要になるかもしれません。

その場合、実際に情報漏洩が起こっていなくても、業務中断による機会損失などの実害が発生してしまいます。

対応に関わるコストの発生

インシデント発生後の対応には、多大なコストがかかります。例えば、以下のようなものが考えられるでしょう。

  • 原因を特定するための調査費用
  • システムやデータの復旧費用
  • 対応スタッフの人件費や残業代

社内リソースだけでインシデントに対処できない場合は、外部の専門家やベンダーへの委託費用も発生します。

インシデント対応が長期化すれば、コストはさらに膨らむことになります。早期の検知と迅速な対応が、コストを最小限に抑えるためにも重要です。

企業の信用低下

インシデントの内容によっては、企業のブランドイメージや信用が大きく損なわれる可能性があります。

特に、個人情報の漏洩につながるようなインシデントは、顧客からの信頼を失墜させかねません。ニュースやSNSでセキュリティ事故の情報が拡散すれば、企業の信用低下に拍車がかかるでしょう。失った信用の回復には長い時間と努力が必要です。

企業の信用が低下すると、顧客離れを招くだけでなく、優秀な人材の確保にも影響します。また、従業員のモラルの低下にもつながりかねません。信用の失墜を防ぐためにも、インシデントを未然に防ぎ、万一発生した場合も適切に対処することが重要です。


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企業で起こるインシデントの具体例

ここからは、企業で起こるインシデントの具体例を紹介していきます。

  • システム障害
  • ウイルス感染
  • サイバー攻撃
  • フィッシング詐欺
  • ヒューマンエラー

システム障害

システム障害は、企業で最も頻繁に起こるインシデントの一つです。代表的な例として、以下のようなものが挙げられます。

  • アプリケーションが正常に動かない
  • サーバーにアクセスできない
  • ファイル転送が実行できない

これらは業務やサービス提供に直接的な影響を及ぼすため、早急な対処と原因調査が不可欠です。

ウイルス感染

ウイルス感染もインシデントの1つです。システムがウイルスに感染してしまうと、システム停止や情報漏洩を引き起こす恐れがあります。

ウイルスの感染経路は多岐にわたります。怪しいサイトへのアクセスや不正なプログラムの実行、メールの添付ファイルなどが代表的な例です。

ウイルス感染は、企業の機密情報や個人情報を危険にさらす重大なインシデントです。感染を未然に防ぐためにも、ウイルスの特性や動作を理解し、適切な対策を講じることが求められます。

サイバー攻撃

サイバー攻撃とは、悪意ある攻撃者がネットワークを介してシステムに侵入し、不正な操作を試みることです。

サイバー攻撃を受けると、不正アクセスによる機密情報の窃取ウェブサイトの改ざんなどの被害を受ける恐れがあります。また、大量のデータを送信してシステムを機能不全に陥れるDoS/DDoS攻撃もサイバー攻撃の一種です。

メールを利用してマルウェアサイトへ誘導したり、ファイルにウイルスを感染させるなど、サイバー攻撃の手口は多岐にわたります。サイバー攻撃は企業の機密性と可用性を脅かす重大なインシデントであり、十分な対策が欠かせません。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺とは、金融機関や有名企業を装った偽のウェブサイトやメールを用いて、個人情報や機密情報を不正に入手する行為を指します。

近年では手口が巧妙化しており、本物と見分けがつきにくいケースも増えています。例えば、金融機関からの重要なお知らせを装ったメールや、有名ECサイトの偽ログインページなどが代表的です。

フィッシングにより情報漏洩が起こると、企業の信頼を大きく損なう危険性があります。従業員教育と適切な対策が重要です。

ヒューマンエラー

ヒューマンエラーに起因するインシデントも、企業において無視できない問題です。不注意、ケアレスミス、確認不足などの人的ミスが原因で、情報漏洩やシステム障害などが引き起こされることがあります。

ヒューマンエラーを防ぐには、業務手順の標準化、チェック体制の強化、従業員の意識向上が不可欠です。人的な要因がインシデントの大きな原因となっていることを認識し、組織全体で対策に取り組む必要があります。

効果的なインシデント対策4選

ここではインシデントを防止したり、発生時に迅速に対応するための対策をご紹介します。

  1. セキュリティ体制の整備
  2. 社内教育の推進
  3. インシデント対応の体制整備
  4. 外注先の責任範囲の明確化

セキュリティ体制の整備

セキュリティ要因によるインシデントは深刻な事故につながりやすいため、セキュリティ体制の整備は極めて重要です。適切なセキュリティ体制を整備することで、インシデントの発生率を抑えるだけでなく、迅速な対処が可能になります。

セキュリティ体制を整備するには、以下のような対応が求められます。

  • セキュリティポリシーの策定と周知
  • アクセス制御と認証管理体制の構築
  • ネットワークセキュリティの強化
  • パソコンなどのデバイス機器へのセキュリティ対策の実施
  • インシデント発生時の対応体制の構築

これらは一部の担当者や部署のみで行うのではなく、全社的な取り組みが必要です。そのため、情報システム部門の主導のもと、組織横断的なセキュリティ対策プロジェクトを立ち上げることが効果的です。

自社に専門知識やノウハウがない場合、アウトソーシングやコンサルティングなど外部の知見も積極的に活用しましょう。

社内教育の推進

ヒューマンエラーが原因となるインシデントを防ぐには、社内教育が欠かせません。社内報や研修、メールなどのツールを活用し、従業員のセキュリティ意識の向上を図ることが重要です。

社内教育では、特に以下の事項を周知させましょう。

  • パスワードの管理方法
  • ネットワーク接続時の注意点
  • メール送信・受信時の確認事項
  • フィッシング詐欺への対策
  • 情報セキュリティ規程

セキュリティ教育は継続的に行うことが大切です。定期的な研修や、最新の脅威動向に関する情報共有などを通じて、従業員の意識を高く保つよう努めましょう。

インシデント対応の体制整備

インシデントの発生を完全にゼロにすることは困難です。そのため、インシデントが発生した際に、速やかに対応できる体制を整えておくことが重要です。

理想としては、24時間365日で対応可能な体制を構築することが望ましいですが、自社の人員だけでは難しいケースも多いでしょう。そのような場合は、外部の専門サービスの活用も検討してみましょう。

インシデント対応チームの編成、対応手順の策定、報告フローの確立など、インシデント発生に備えた準備を入念に行っておくことが大切です。日頃からインシデントを想定したシミュレーションを実施し、対応力を高めておくことも効果的でしょう。

外注先の責任範囲の明確化

業務委託やアウトソーシングを利用している場合、外注先との責任範囲を明確にしておくことが重要です。もし、ウイルス感染や情報漏洩などのインシデントが発生した際に、責任の所在があいまいだと、事態の収拾が困難になる恐れがあります。

外注先とのコミュニケーションを密にし、インシデント対応に関する方針の擦り合わせを定期的に行うことも大切です。お互いの役割と責任を明らかにし、インシデント発生時にスムーズな連携が取れるような関係構築を心がけましょう。

インシデント管理の4つのステップ

実際にインシデントが生じてしまった際には、事業への影響を最小限に抑えるための迅速かつ適切な対応が求められます。そのための一連の活動を「インシデント管理」と呼びます。ここでは、インシデント管理の具体的な流れを4つのステップに分けて解説しましょう。

1.インシデントの検出

インシデント管理の最初のステップは、インシデントの検出です。ユーザーからの問い合わせやシステムのアラートなどを通じて、インシデントの発生を把握します。

検出後は速やかに情報収集を開始し、インシデントの具体的な内容や影響範囲などを可能な限り詳細に調査しましょう。

迅速な対応が何より求められるため、平時からインシデント対応の準備が必要です。手順書やチェックリスト、関係部門と連携した対応フローなどを用意し、いつでもインシデントに対応できる体制を整えておきましょう。

2.インシデントの分類

インシデントの内容が把握できたらインシデントを適切に分類しましょう。インシデントの分類には、以下のようなメリットがあります。

  • インシデントの特性(種類、原因、影響範囲など)を正確に理解できる
  • 過去に似たインシデントがあれば、その対処法を参考にできる
  • 緊急度や優先度、難易度を判断し、適切な対応ができる
  • 関係部門や担当者への適切な役割分担と指示が可能になる

分類を効率的に行うためには、普段からインシデント事例をナレッジベースなどに蓄積し、検索可能な状態にしておくことが重要です。新規のインシデントが発生した際に、過去事例を参照しながら素早く分類できるようにしましょう。

分類の基準としては、以下の点を踏まえ総合的に判断します。

  • インシデントの種類(システム障害、サイバー攻撃、人為ミスなど)
  • 業務へのインパクトや影響範囲(重大/軽微、局所的/広範囲など)
  • 原因の特定の難しさ(単一原因か複合的か)
  • 対処の技術的難易度(高度な専門性が必要か等)
  • 緊急性の程度(対処が切迫しているか)

こうした分類を適切に行うことで、迅速かつ適正な対応手順に移行できます。

3.インシデントの解消

分類が完了したら、インシデントの解消に向けて具体的な対応を実施します。定められた手順やフローがある場合は、それに沿って事態の収束に努めましょう。

インシデントの解消では、対応チーム内の密な連携と、関連部門との適切なコミュニケーションが欠かせません。役割分担を明確にし、情報共有を円滑に行うことが重要です。

また、一連の対応内容は、正確に記録に残すようにしましょう。記録は、事後の振り返りやプロセス改善に活用できるほか、社内外への報告の際にも必要になります。

4.インシデントの記録・報告

インシデントの解消後は、一連の経緯を正確に記録に残します。

影響範囲の詳細、解消までの時間、対応の内容などを時系列でまとめ、社内でレビューを実施するのも効果的です。これにより、対応の改善点を洗い出し、次の機会に活かせるようになるでしょう。

また、インシデントの内容に応じて、社内外への報告も必要になります。影響範囲によっては、ユーザーへのお詫びや事後報告など、インシデント後にフォローアップが求められる場合もあるでしょう。信頼の回復のために、誠意ある対応に努めることが大切です。

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本記事では、インシデントの概要や企業への影響、防止策などについて詳しく解説してきました。インシデントは重大なセキュリティ事故につながるリスクがあるため、未然に防止するための予防策と、発生後の迅速な対応が重要です。

しかし、自社に十分な知見やノウハウがなく、どこから手を付けたらいいかわからない方もいるのではないでしょうか。そのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ「IT顧問 情シス君」にご相談ください。

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