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更新日:2025.03.24
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クラウドコンサルタントを利用するメリットとは?注意点や選定ポイントも解説

近年、リモートワークの普及やIT環境の急速な変化に伴い、クラウドサービスを利用する企業が増えています。

クラウドサービスを導入することで、コスト削減や生産性の向上が可能になります。しかし、専門知識が不足しているなどの原因で、うまく活用できないケースも少なくありません。

そこで役立つのが、クラウドコンサルタントです。本記事では、クラウドコンサルタントを活用するメリットだけでなく、利用する際の注意点や適切な選定ポイントも詳しく解説します。

「クラウド導入を検討しているが、コンサルタントに頼むべきか迷っている」
「失敗しないコンサルタント選びの基準が知りたい」

このような疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

クラウドコンサルタントとは?

クラウドコンサルタントとは、クラウド技術の導入・活用を専門的に支援するプロフェッショナルのことです。企業がクラウドを活用して、コスト削減、業務効率化、セキュリティ強化、事業拡張性の向上などを実現できるよう、具体的な導入戦略や技術的なアドバイスを提供します。

クラウドを導入する企業は近年急増していますが、専門知識やスキルを持つ人材が不足している企業も多く、移行が思うように進まないケースも珍しくありません。

クラウドコンサルタントはこうした課題を解決するため、企業のビジネス目標に沿って、適切なクラウドサービスの選定から導入計画、運用方法までトータルでサポートします。

また、IT部門と経営層の橋渡し役としても機能するため、安心してクラウド導入を進められます。

クラウドコンサルタントが求められる背景

企業のDXが加速する中でクラウド利用が急増していることが、背景として挙げられます。実際に、日本のパブリッククラウドサービス市場は大きく成長しており、2023年には前年比27.5%増の3兆2,609億円(売上額ベース)に達する見込みです。

さらに近年では、コロナ禍で普及したリモートワークの影響もあり、「場所を問わずアクセス可能なシステム」としてのクラウド需要も急激に拡大しました。

こうした状況のなか、クラウドを効果的に運用し、導入後もビジネスの成果につなげていくために、クラウドコンサルタントが重要な役割を果たしているのです。

クラウドコンサルタントを利用するメリット

クラウドコンサルタントを利用することで、以下のようなメリットが得られます。

  1. 経営戦略に基づいた最適な提案を受けられる
  2. 初期費用と運用コストを削減できる
  3. 高い拡張性と柔軟性を備えたシステムを構築できる
  4. セキュリティリスクを最小化できる
  5. 最新技術・ベストプラクティスを活用できる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1. 経営戦略に基づいた最適な提案を受けられる

クラウド導入を成功させるには、単なるITシステムの導入で終わらせず、企業の経営目標や事業成長とリンクさせることが不可欠です。

クラウドコンサルタントは、自社の課題やゴールを踏まえ、最適なクラウドサービスの選定や、投資対効果を最大化する方法を提案します。将来的な事業拡大や市場変化を見据え、柔軟に拡張・見直し可能なシステム構成をアドバイスすることも可能です。

コンサルタントを活用することで、クラウド導入を戦略的な投資として活かせるでしょう。

2. 初期費用と運用コストを削減できる

コンサルタントを活用することで、クラウド導入に伴う初期費用や運用コストを削減可能です。

クラウドコンサルタントは、自社の規模や用途に適したサービスやシステム構成を提案し、無駄のない導入プランを設計します。例えば、必要以上のスペックを抑える、利用状況に応じてスケールを調整するなど、コスト最適化を徹底的に実施します。

さらに、導入後も継続して運用状況をチェックし、不要なサービスの削減や構成の見直しを継続的に実施します。これにより、長期的にもコスト負担を削減可能です。

3. 高い拡張性と柔軟性を備えたシステムを構築できる

クラウドコンサルタントは、自社のシステムが急なアクセス集中や事業拡大に柔軟に対応できるよう、最適なクラウド環境を設計します。

例えば、クラウドの特性を活かしたスケーリング機能を活用し、必要に応じてリソースを自動的に増減させる仕組みを導入可能です。また、複数のクラウドサービスを組み合わせる「マルチクラウド」や、自社運用のサーバーとクラウドを併用する「ハイブリッドクラウド」といった複雑な手法も、企業の特性に合わせて提案します。

これらの柔軟な仕組みを活用することで、自社の状況や市場の変化に迅速に対応できる柔軟なIT環境を実現できます。

4. セキュリティリスクを最小化できる

クラウドコンサルタントは、クラウドベンダーごとの特性を考慮し、適切なアクセス制限やデータ暗号化、強固な認証方式などを導入して、リスクを最小化します。さらに、システムの監視体制を整備し、定期的なセキュリティ診断を実施することで安全性を維持します。

また、万一の障害や災害時に備えて、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定。迅速な復旧対応を可能にし、ビジネスへの影響を最小限に抑えることが可能です。

5. 最新技術・ベストプラクティスを活用できる

クラウドコンサルタントを活用することで、企業は最新のクラウド技術を効果的に導入できます。クラウド技術は日々進化しているため、自社だけで最先端の情報を追い続けることは困難ですが、コンサルタントは常に最新の成功事例や最適な活用方法を把握しています。

たとえば、近年注目されているAI(人工知能)や機械学習といった技術を、自社に本当に必要かどうかを判断した上で、活用方法を含めて提案可能です。

企業は最新の技術を的確なタイミングで取り入れられ、無駄な投資を避けながら効率よく競争力を高めることが可能になります。

クラウドコンサルタントを利用する際のポイント

クラウドコンサルタントを利用する際には、以下の3つのポイントを押さえておくことで、リスクを減らし、効果を高められます。

  • コンサルタントに依頼する期間を明確にする
  • コンサルタントの専門分野を確認する
  • コンサルタントに仕事を丸投げしない

これらのポイントを押さえておくことで、クラウドコンサルタントを利用する際のリスクを減らせるでしょう。

コンサルタントに依頼する期間を明確にする

クラウドコンサルタントを利用する際は、「いつからいつまで支援を受けるのか」という期間を具体的に定めることが重要です。

期間が曖昧だと、プロジェクトの進捗や成果を判断しにくくなり、スケジュールが間延びして予算を超過したりするリスクがあります。

そのため、契約前の段階で「いつまでに何を実現するのか」を具体的に決め、コンサルタントとの共通認識を形成しておくことが大切です。

コンサルタントの専門分野を確認する

クラウドコンサルタントを選ぶ際は、自社のニーズに合った専門分野を持つコンサルタントを選ぶことが重要です。

クラウドにはさまざまな分野があり、専門家によって得意領域や対応可能なサービスが異なります。たとえば、自社の課題がセキュリティ強化にある場合、その分野での実績や知見を持つコンサルタントを選ばなければ、期待する効果を得ることはできません。

そのため、商談などの機会を利用して、過去の実績や対応可能なサービス範囲、保有する専門知識などを具体的に確認しましょう。

コンサルタントに仕事を丸投げしない

クラウドコンサルタントに依頼する場合でも、業務を完全に丸投げするのではなく、自社が主体的に関与する姿勢が重要です。積極的に参加することで、認識のズレを防ぎ、トラブルやスケジュール遅延を回避できます。

また、定期的なミーティングを通じて情報共有や進捗確認を行うことで、社員がコンサルタントのノウハウを直接学べます。これにより、プロジェクト終了後も自社内でクラウドを継続的に活用できるようになるでしょう。

コンサルタント任せにするのではなく、あくまで協働でプロジェクトを進めることが、円滑なクラウド導入と自社の技術力向上につながります。

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クラウドコンサルタントを利用する際のプロセス

ここでは、クラウドコンサルタントを利用する際のプロセスについて解説します。具体的な流れは、以下の通りです。

  1. 目標・スコープ設定
  2. RFP(提案依頼書)の作成
  3. コンサルタント事業者を選定する
  4. 現状調査
  5. アセスメント
  6. 計画策定
  7. 計画の実行

ただし、これらのプロセスを自社だけで進めるのは難易度が高いかもしれません。特に初期段階から課題を感じている場合は、最初からコンサルティングサービスを活用し、相談をしながら進めることも有効な選択肢です。コンサルティングサービスを活用すれば、プロセス全体を効率よく進められ、スムーズなクラウド導入を実現できるでしょう。

それぞれのプロセスについて、順番に解説します。

1. 目標・スコープ設定

プロジェクトの成否を分ける最初のステップは、クラウド導入の目標と範囲(スコープ)を明確に設定することです。

まず、「クラウド化によって何を実現したいのか」「どのような成果を得たいのか」というゴールを明確化します。その上で、どの業務やシステムをクラウドに移行するか、全体か部分的かなど、具体的な範囲を決定しましょう。

この段階を曖昧なまま進めてしまうと、後で追加の工数やコストが発生し、プロジェクト全体が遅れる原因になります。初期段階で目標とスコープを明確に定めておくことで、プロジェクトを円滑に進め、成功の確率を高められます。

2. RFP(提案依頼書)の作成

クラウドコンサルタント選定で重要になるのが、RFP(提案依頼書)です。RFPを作成することで、自社が求める要件や予算、技術的な制約条件、スケジュールを整理できるため、コンサルタントから的確で具体的な提案を引き出せます。

また、あらかじめ期待する成果や作業範囲を明確化しておくことで、認識のズレや追加費用の発生といったトラブルを防ぐことにもつながります。

3. コンサルタント事業者を選定する

クラウドコンサルタントを選定する際は、複数の事業者の提案や見積もりを比較し、自社に最適なパートナーを見極めます。

RFPに対する提案内容の妥当性や見積もり金額に加え、コミュニケーションの取りやすさや過去の実績、サポート体制などから総合的に判断しましょう。短期的な費用だけにとらわれず、長期的に信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。

すべての条件を完璧に満たす事業者を見つけるのは難しいため、事前に重視する項目や最低限の条件を明確にしておくと、判断がスムーズになります。

事業者が決定したら、双方の認識を細かくすり合わせた上で、契約を結びましょう。

4. 現状調査

現状調査では、クラウド移行にあたり「何をどのように移行するか」を明確にするため、現在のシステム状況を整理します。

まず、コンサルタントと共に、サーバーやネットワーク機器、ライセンスなどのIT資産やシステム構成を詳しく把握します。次に、ユーザー部門やIT担当者にヒアリングを行い、現状のシステムが抱える課題や改善すべき点を特定します。

同時に、現場の要望や懸念点を取り入れることで、より導入効果の高いクラウド計画を作成できます。

これらのステップを経ることで、実態に即した効果的なクラウド導入が可能になります。

5. アセスメント

現状調査を終えたら、現在使用しているシステムの特性やアプリケーションの要件を詳しく分析します。このアセスメントの目的は、現状のシステムの特性を分析し、どの部分をクラウド化できるかを明確にすることです。

具体的には、アプリケーションごとにクラウド移行が可能か、または移行が難しいかを判断します。中には、オンプレミス環境でしか動作しないアプリケーションや、高いセキュリティ要件でクラウド化が難しいデータがあるかもしれません。その場合は「ハイブリッドクラウド」(オンプレミスとクラウドの併用)を検討するとよいでしょう。

ここで整理された情報が、次の「計画策定」の基礎になるので、可能な限り漏れのないように努めましょう。

6. 計画策定

計画策定フェーズでは、アセスメント結果をもとに、具体的な移行タスクを洗い出して、実行する優先順位を決定します。システム移行やアプリケーション改修、データ移行などを時系列で整理し、明確なロードマップを作成します。

さらに、移行作業を円滑に進めるため、移行マニュアルの作成やスタッフへの教育、権限設計といった社内体制の整備もあわせて実施することが望ましいでしょう。

7. 計画の実行

計画実行フェーズでは、策定した移行計画をもとに、実際のクラウド環境を構築し、本番稼働に向けて各作業を進めます。具体的には、以下のような作業を行います。

  • クラウド環境の構築と設定
  • システムやアプリケーションの移行
  • データ移行および動作テスト

作業の進捗状況を定期的に確認し、問題が発生した場合は迅速に対処しましょう。また、導入後もシステムの運用最適化や追加機能開発など、継続的なサポートを受けることで、クラウドの活用を最大化できます。

クラウドコンサルタントを選ぶ際のポイント

クラウドコンサルタントを選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 豊富な実績を持っている
  • 自社の業界や業種に精通している
  • サポート体制が充実している
  • 料金体系が明確である
  • アウトソーシングサービスを提供している

これらのポイントを理解しておくことで、効率的に適切なコンサルタントを選定できるでしょう。

豊富な実績を持っている

コンサルタントを選ぶ際は、豊富な実績を持つかどうかを確認しましょう。幅広い業界や規模のプロジェクトを成功させた経験があるコンサルタントは、最適な解決策を迅速に提案できます。

また、予期せぬトラブルにも柔軟に対応できるため、クラウド導入後の運用やサポートまで安心して任せられます。

さらに、豊富な実績を持つコンサルタントは、過去の多様な経験から将来起こりうる課題や市場変化を予測したアドバイスが可能です。そのため、長期的にも安定したクラウド運用が実現するでしょう。

自社の業界や業種に精通している

自社の業界や業種に精通していることも、クラウドコンサルタントを選ぶ際の重要なポイントです。

業界に特化した知識を持つコンサルタントは、その分野における特有の課題やニーズを深く理解しています。そのため、業界に合ったソリューションを提案可能です。

また、業界のトレンドや規制に関する知見もあるため、適切なアドバイスを受けられます。ビジネスの効率化や競争力の向上につながる専門的なサポートを受けることで、クラウド導入後もスムーズに業務を進められるでしょう。

このように、コンサルタントが自社の業界や業種にどれほど精通しているかの確認が、効果的な関係性の構築につながります。

サポート体制が充実している

クラウドコンサルタントを選ぶ際は、導入後のサポート体制が充実しているかを必ず確認しましょう。

クラウド導入後は、システムの改善や新機能の追加、予期しないトラブルへの対応など、継続的なフォローが欠かせません。24時間対応しているか、専任のサポートチームがいるかなどを、事前に確認しておきましょう。

料金体系が明確である

料金体系が明確な事業者を選びましょう。料金形態は、成果報酬型や月額定額制、従量課金モデルなど事業者によって異なります。特に追加作業や要件変更時の費用については、契約前に細かく確認し、不明点があれば納得するまで質問することが重要です。

料金体系を明確にしておくことで、予想外のコスト発生やトラブルを防止でき、安心してプロジェクトを進められます。

アウトソーシングサービスを提供している

クラウドコンサルタントを選ぶ際には、コンサルティングだけでなく、実際のアプリ開発やセキュリティ管理、運用・保守までまとめて依頼できるかを確認しましょう。

こうしたアウトソーシングサービスを提供しているコンサルタントを選ぶことで、自社のIT業務を効率的に外部委託でき、社内負担の軽減につながります。

特に、人手不足に悩んでいる企業にとっては、アウトソーシングサービスは大きな魅力となるでしょう。

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本記事では、クラウドコンサルタントのメリットや利用する際のプロセスなどを解説しました。社内にノウハウがない場合などには、コンサルタントを活用することで、効率的かつスムーズにクラウド導入を進められます。

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